豪ドル/円相場は、95.00~97.50円のレンジで揉み合う展開が続いている。日本政府の脱デフレ政策期待を背景とした円売り圧力は一服するも、特に豪ドル高・円安トレンドを大きく修正する必要性も見出せず、高値膠着気味の展開が続いている。
2月19日には、オーストラリア準備銀行(豪中央銀行)金融政策決定会合(5日開催)の議事録が公開されている。そこでは、インフレ見通しが抑制されていることもあり、「必要なら、更に政策を緩和する余地が生じている」との見方が示されている。ここにきて中国経済見通しが改善しているが、豪中銀は資源投資が年内にピークを迎えると見ており、その影響を相殺するには鉱業分野以外の内需改善を促す必要性があると判断している模様だ。早ければ、3月の次回会合で追加利下げが実施される可能性があり、おそくても上期中には追加利下げが行われる流れになるだろう。これは豪ドル相場に対してネガティブであるが、現状では日本銀行の緩和圧力がより強力と見られることで、豪ドルサイドから豪ドル安・円高が進むリスクは限定されよう。
一方、円サイドでは20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、為替市場に対する口先介入を行わない申し合わせが行われた模様であり、日本の政策当局者から為替関連の発言が一斉に止まっている。このため、来週にも政府が国会に提示する予定の日銀総裁人事や、その前の日米首脳会合が、当面の焦点になる。日米首脳会合では特に円高批判は盛り上がらない見通しであり、日銀総裁人事を巡る思惑から改めて円売りを再開できるのかが問われる局面になる。豪ドルの押し目があれば、買い拾うスタンスを継続したい。
今後1週間の予想レンジは、95.50~98.50円。